ここから突然に秘本(地下本)の紹介になっています。この地下本紹介は88年9月号まで続き、10月号から次のシリーズ「はみ出し兵曹行状記」になります。ちょうどこの25ページのコラムの話題がメインとなるのです。
 このコラム、筆者従軍中の体験談とされていますが、写真はどう見ても昭和25年過ぎの日本人のモデルさんで、戦友が撮ったとは思えません。筆者がスラバヤに派遣されていたというのは事実でしょうが、それ以外の文章は相当に脚色された娯楽読み物と断じます。
 決して筆者を誹謗しているわけではなく、ヤレ旧日本軍による捕虜虐待であるとか、従軍慰安婦であるとか、確定的な事実認識無く、とにかく何でも反日の材料にしようとする連中につまらない印象を与えたくないのです。
 私は日本びいきで申すのでなく、歴史認識は正確でありたいと願っているためです。 戦時中のプロパガンダや戦後のイデオロギーやヒロイズムによる歪曲を排して、正しく中道を模索すべきものと存じております。
 
 ちょうどこの頁をアップし終えた頃、BS1でロシアのニュースを同時通訳で放送しておりました。シリア情勢について、政府軍贔屓の報道をしておりました。反乱軍は正当な政府の転覆を謀る違法な武装集団であるという立場で、アサド政権の人権抑圧を重視する欧米とは正反対です。中東の利権を得るためにアサドに多額の投資(賄賂を含む)をしたロシア。それを快く思わない欧米との対立の構図が読み取れます。ロシアの報道はメドベージェフ達の投資を無駄にしたくないという、まさに国益を代表しているのです。
 事の正邪を今決めるわけにはいかないでしょう。歴史認識というものはその事件が終結した時点で行われるべきではありません。それでは勝てば官軍になってしまいます。その前後の歴史経過を踏まえて意味づけがなされなければならない。統合されたより正確な歴史観に導くためにも、日本の報道機関は日本の国益と立場を堂々と主張し続けるべきで、報道の中立はそれを前提に、違う意見・立場も無視しないという形を取るのが順序でしょう。
 
 
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